新型コロナウイルスについて
 ―心と体を強くするためには―

2月から日本は新型コロナウイルスにより個人も私たちの住む社会も大きな痛手を蒙っています。

人類は何度も何度もこのような疫病と戦いその度に打ち勝ってきました。どの時代にも疫病の記録はあり大勢の人がその命や人生に大きな痛手を受けています。そのような記録を調べ、社会や個人がどのように対処したかを調べるのが『医療人類学』という学問です。

白山神社もかつては疱瘡を始めとする疫病を封じる神として崇敬されてきました。明治を過ぎ、その役目を終えて数十年後の平成の世に『白山神社疱瘡神事の研究』と題した論文が、医療人類学の視点から当社宮司によって書き上げられ信仰の詳細が明らかにされました。

そこから導き出される一つの考え方は、江戸時代より前の人々は神や仏に参り、祈祷や加持、護摩などによって祈りを捧げることで自身の免疫力や抵抗力を高めていたことです。

体の強さは仕方がないことですが人それぞれに異なります。ただ、心の強さは何かに支えてもらえることで強くなります。それが人の本当の意味の抵抗力なのだと思いますし、それは信頼する家族だったり友人だったりの人同士ということもありますが、それぞれの近くにある神社・仏閣・そして小さな小さな祠である場合もあるのだと思います。

どうか、身近をもういちど見わたし、自分が信頼できて心を少し強くしてもらえる何かを探していただければと思います。皆さんの心に灯る小さな信頼の灯がこの厳しく困難な道を乗り越える力になればと思います。